ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

現実主義な私が日々心に浮かぶことを、ゆるゆると書いていく

マクドナルドのカウンター席で、突然深淵をのぞいてしまった話

衝撃覚めやらぬ体験をしたので、書いておこうと思う。

 

 

数日前、小腹がすいたのでマックのカウンター席でコーヒーとチーズバーガーを食べていたら、同じ並びのひとつ空けて隣の席に座っていたおばあさん(多分70歳過ぎだと思う)が、携帯電話で何か話をしていたのが聞こえた。盗み聞くつもりはなかったのだけれど、席が近いからばっちり聞こえてくる内容が....。

保険を解約したい。その保険は誰かが家に忍び込んで免許証の番号を盗みて、勝手に契約した。

この辺から耳が話にひきつけられて興味をそそられてしまい、コーヒーを飲みながら話に聞き耳をたてていたのだが。

私は何度も誰かに殺されそうになった。道を歩いていたら、針のようなもので何回も刺された。家に誰かが忍び込んでいるのは分かっている(私が分かっているだけでも5回)。

どうやら契約をしていない(と思われる)保険が契約されていないことを確認しつつも解約しようと(?)、保険会社の窓口に電話しているらしい。

らしいというのは、私は絶対このおばあさんがヤバい人としか思えなかったので、そーっとその場を離れて、それ以上の情報が聞けなかったからだ(けっこうマジで怖かったので)。

そのおばあさんはせいぜい5分か10分くらいの間に上記の次々と衝撃的な内容をしゃべっていた。私は多分、生まれて初めてあれだけしっかり話すリアル電波の人を見たと思う。別に話があっちこっちに飛ぶと言うわけでもなく、ひたすら自分の命が狙われているのは分かっていると主張していた(ある意味一貫性のある主張ともいえるだろう)。伝える術は万に一つもないのだが、あの電話の向こうにいる窓口の人に「幸あれ」と割と本気で思ってしまった。でももしかしたら、保険会社には、ごくわずかかもしれないけれど電波の人からのああいった連絡がくるのかもしれない。

ところで道を歩いているだけで何人もの人に狙われることの反対としては、道を歩いていても誰一人あの人に注目しないということだ。なんとなくだけれど、あのおばあさんは一人暮らしで、あまり人と話す機会がないのかもしれないと思った。

愛の反対は憎悪ではなく無関心。歩きながらそんな言葉が頭に思い浮かんだが、結局知らない人のよく分からない話をファーストフードで漏れ聞いただけなのだがら、これ以上深く考えては行けないような気がして、家路を急いだ。

人が深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいているのだから

 

 

 

yuriyuri.hatenadiary.com