ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

現実主義な私が日々心に浮かぶことを、ゆるゆると書いていく

知らない国の知らない話

意外な収穫の対談本

今日読んだ本。意外な組み合わせと思っていたら自分の知識不足だったのが、

 

異端の人間学 (幻冬舎新書)

異端の人間学 (幻冬舎新書)

 

 佐藤優さんと五木寛之さんの対談本。五木さんは、昔々彼が深夜にやっていたラジオ番組を、しばらく聴いていたことがある。渋くていい声で落ち着いた番組だったのだが、残念ながら内容をあんまり覚えていない。

 

遅まきながら五木さんのロシアに対する造詣がたいへんに深いものであることを知った。最近の著書では生と死に関するエッセイが多く、仏教の本を出されていることくらいしか知らなかったのだが、今後は本の中で佐藤さんが挙げられていた数冊くらいは読んでおきたいと思う。

2人ともチェコスロバキアに対して特別な思いがあり(特に佐藤さんはチェコ神学者のフロマートカの研究を生涯のテーマと掲げているくらいだ)五木さんが「プラハの春」の現場の遭遇していたりと思っていた以上に二人には共通部分があるらしい。

いつも対談本でも冷静さを崩さない「知の巨人」と呼ばれる佐藤さんが、めずらしく嬉しそうにロシアでのあれこれを話していたのが面白かった。

 

私はシュルレアリスムが好みなので、チェコというとこの人。最近はあんまり見ていないけれども、ヤン・シュバンクマイエル*1というアニメと実写を組み合わせた(けっこう過激な表現もする人だが、そこが好き)チェコの映画監督が好きだけれども本には特に出てこなくて残念。

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とにかく2人とも宗教の知識が凄い。現代の世界の情勢は宗教の対立(パリでのテロなど)というテーマを抜きにしては語れないので、2人の愛するロシアの動向についても宗教こみで少しでも理解できるようになりたい。でないと生きているだけで不安になってしまう時代だからね。私の知識なんてたいしたことないのは知ってるけれど、ないものを数える人生は送りたくないなとカッコよくまとめてみる。

*1:アニメーション作家・映画監督としての業績で著名だが、シュルレアリストとしてドローイングやテラコッタ、オブジェなどの分野でも精力的に活動している。また、妻のエヴァ・シュヴァンクマイエロヴァーも、アニメーションをはじめとした各種の表現活動で共同作業を行っていた。