ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

現実主義な私が日々心に浮かぶことを、ゆるゆると書いていく

あなたの常識は私の非常識ー『トネイロ会の非殺人事件』小川一水

のっけからはっきりと書いてしまうのだけれども、世の中の人をセンスがある人とない人の2つに分けたのならば、私は間違いなくセンスがない人の国に住んでいる。しかもわりと古い国民だね。

まだ若かりし日にそれなりに頑張ってはみたものの、「アレ、もしかして私、なんかダサいんじゃないかな?」と気が付いてそこで頑張る方には行かずに「まぁ、変でなければいいかな」と向上心もあまり持たずに、今に至る。

そういう人を前にすると人はいじりたくなる欲求を持つらしく、古くは母親や妹に服や靴やバックを見立てられ、言うことを聞いたり聞かなかったりしていた。別れたダンナにもいろいろ言われた。(服のこともなんか言っていたけれど、夫婦としては石原慎太郎とその妻を目指しているとも言われた。石原慎太郎と聞くと誰もが想像すると思うが、その想像通りのバリバリの亭主関白とそれに付き従う妻というやつです)今は娘に厳しい意見を言われたりしている。

外見に関しては平気でいうことも聞く私なのだが、内面、特に本の趣味に関して色々アドバイスをされると、なんか言った人そのものを受け付けなくなる傾向がある。外見がオシャレじゃないのと頭の中は関係ないよね?なんか失礼じゃない?なんでそんな簡単なことが理解できないのか?それは私は何でもあっさり言うこと聞く人だからさ!(威張ることではないが)

ところで私がミステリーという言葉を聞くと思い浮かべるのが西村京太郎のトラベルミステリーだったりする。

 

十津川警部 北陸新幹線殺人事件 (ジョイ・ノベルス)

十津川警部 北陸新幹線殺人事件 (ジョイ・ノベルス)

 

 何でかというと、実家の母親がやたらと読んでいたからだ。もしくは山村美沙。他の本も読んでいたんだろうけれど、西村京太郎は冊数が多いから、やっぱり家にあるのはトラベルミステリーで時刻表のトリックばかりが書いてある本だ。だから私はミステリーといえばトラベルミステリーか火曜サスペンス劇場くらいしか思いつかいないというとんでもなく狭い世界に今まで生きてきた(らしい)。そして面白い本を探すにもやっぱりセンスがいるので、これまでミステリーで面白いと思う本を探し当てることができなかった。(他人に本を薦められること自体が嫌いだから)

 はてなでブログを始めてから、他人の人生や生活や頭の中を垣間見るようになったのが面白くて仕方なかったりする。その一環として、他人の好きな音楽なり本なりに多少の興味が持てるようになった。直接だと主義主張を押し付けられがちなタイプなので日常生活では用心しているのだが、画面の向こうの他人はそこまで強烈には感じないのが本当に素敵。(駅とかで突然知らない人に話しかけられることのあるタイプなので)

 

トネイロ会の非殺人事件 (光文社文庫)

トネイロ会の非殺人事件 (光文社文庫)

 

 この本は私がちょくちょく読んでいるブログ主が面白い本だと書いてあり、なんかこの人はセンスがいいんじゃないかと前から思っていたので、試しに図書館で借りて読んでみたのだが、思っている以上に読み応えがあるミステリーだったというか面白かった。とりあえず時刻表が出こないのがとても良い。(一種のトラウマ?)

短編が3つ。私はミステリーを読みなれていないから、解説を参照してしまうけれど、設定が本格ミステリーの世界での定番の「クローズド・サークル」なのだそうだ。その設定は警察が介入しない状況をつるためには大切らしい、初めて知ったよ。西村京太郎の本では刑事が率先して事件に巻き込まれたり解決したりしていたけれど、違うの?まぁいいか。

とにかくミステリーというジャンルが面白いことを遅まきながら知ったので、時々読んでみようと思う。

※多分母親は鉄子(鉄道オタク)の素質があるんだろうと、随分後になってから気がついた。どうりで主人公も犯人も移動ばかりする本が多かったはずだよ。私とはそこから既に合ってない。