ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

現実主義な私が日々心に浮かぶことを、ゆるゆると書いていく

Q 子どもをご褒美で釣ってはいけないのか?ー「学力」の経済学

学力を統計学のデータの観点から読む本です。

 

「学力」の経済学

「学力」の経済学

 

 

 Q 子どもをご褒美で釣ってはいけないのか?

   =>A  いい成績を取ったことではなく、何時間勉強したというようなインプットや過程を褒めるようにすれば良い

Q ゲームは子どもに悪影響を与えるのか?

   =>A テレビゲームは1日1時間くらいであれば成績に影響しない

※教育への投資は早いほど良い。小さい頃にはしつけなどの教育が特に重要であるし、教師の質は重要だ。

統計学のデータからは、当たり前といえば当たり前なのですが、身も蓋もないことも書いてあります。アマゾンのレビューでは現場の実情にそっていないとの声があります。まぁ事実そういう面もあるかもしれません。

教育というものに対して費用効果という統計を用いた切り口の本、と私はとらえており、日本ではあまりみかけないタイプの本なので、興味深かったです。

でもどうやら特に現場の教員の方からは、反発があるようです。『「学力」の経済学』というタイトルからして抵抗感を感じる人もいるでしょうし。

私自体は、子供が思春期になったせいで、褒めて何かをさせるということに対してひっかかりを感じており(子供自身も知恵がついてきて、褒めるくらいではモチベーションにならないこともある)上に書いたQ&Aなどは「やっぱりね!」と納得しています。

宿題なり勉強をするのは当たり前、人と同じことことをこなす、ということによって先生や回りの人間に自分が与える信頼感というメリットや、短期的ではなくある程度長期的な視点を持つこと(これは勉強だけではなく)などを子供と話し合うのに、私自身に根拠を持たせてくれる本でした。(もちろん“ご褒美”に関しても、これまで少々の後ろめたさがありましたが、ご褒美もありだし、タイミングが大切なことを知りました)

 

ところでこれに逆行するような記事として、

www.asahi.com

 

生徒の数が少なくなるのは事実なので、異議をとなえたいわけではないです。でも現実問題として、記事にもあるけれど生徒の不登校の増加や先生のうつ病の増加など、これまでとは違った形での問題がでてきているから(実際子供が通っている学校でも学年で数人の生徒が不登校で来ていないとのこと)ただ生徒の数が減ったから先生も減らすというのは、短絡的で乱暴な話のような気がします。先生全体の年齢のばらつきの不均等による相互のコミュニケーションの問題とか、何らかの不都合が出てくるのではないかと思ってしまう。

政府の思惑は?

記事を読んで感じることは、とにかく政府が予算の削減をしやすいところから手をつけようとしているのでは?という疑いが捨てきれないことですね。先生の数の削減は、一見理屈が通っているようですが結論ありきに思えてしまいます。先生の仕事というものは、思ったより雑用が多いとのことなので、 *1これらの雑用と呼んでしまうとおかしい雑務は、生徒の数が減るからその分だけ自動的に少なくなるというものではないので(運動会や卒業式のどちらかをなくすというわけにはいかない)、先生の本来の仕事である授業に対して100%の力を注ぐのが難しくなってしまうのではないだろうか、と不安になります。

 

このニュースに関しては、私自身非常に関心があるので、続報なり関連ニュースを気をつけてチェックしていきたいと思っています。

*1:生徒に関わる事務、ノートの点検,保護者欄への返信,各種テストの作成・採点・記録・成績処理・結果の通知・学年通信,クラブや部活動の顧問ならそれらに関する様々なこと。学校での各種行事の計画案の作成や準備時間、運動会,卒業式などなど。