ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

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気持ちは分からないでもないが、違うだろうと思った話ー『すべてはFになる』森博嗣 ※追記あり

最近になってミステリーに少々興味が出てきたので、遅まきながら(というか大変に遅いのですが)TVドラマ化もされたこのシリーズを読んでみました。

 

 

すべてがFになる (講談社文庫)

冷たい密室と博士たち (講談社文庫)

実は2冊目までの感想としては本格的なミステリーというものはこういうものなのか、といったところです。これまでミステリーを読む時は、犯人と動機と結末が分かればいいので、最初と謎解き部分を読んで、後補足で状況説明の所を読むという邪道な読み方をしていました。自分流の速読というわけですね。私から見ると、ミステリー好きの人は気が長いんじゃないかと思う。

とにかくシリーズを全部読んでみようと考えて、図書館で借りました。3冊目からは結構面白くなってきて、それはそれでほっとしました。まぁそこはおいておいて、気になったこととしては

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これですね。つまり「すべてはfになる」のドラマの方の配役です。武井咲は比較的あっていると思いますが(金持ちのお嬢様、特に武井咲の声というか話し方はピッタリ)、問題は綾野剛です。原作を読んだ人はたいていちょっと違うのでは?と思ったでしょう。(理系の准教授!)でも私はここに綾野剛をもってきた理由が分かる気がする。

というのは、原作はしっかりとしたミステリーであり、主役の2人には特にロマンス的に光るところも皆無ではありませんがかなり少なく、不特定多数の視聴者を惹きつけることは難しい。そこで工夫を凝らしたという意味での飛び道具としての綾野剛ですよ。

実は私の中で、綾野剛は「ミスターフォトジェニック」として名高い俳優でもあります。彼はイケメンなのかという面においては微妙ではありますが、とにかくなんともいえない色気のある雰囲気を身にまとっているという点においては、最近の俳優さんの中ではダントツです。ちなみに先代のミスターフォトジェニックは、オダギリジョーでした。ついでに先々代は浅野忠信です。(これはあくまで個人的な意見)3人の共通点として

 決して分かりやすくイケメンではない

 声が低くてボソボソしゃべる(もしくは大きい声ではっきりとはしゃべらない)

 カラーより白黒やセピアの写真が似合いそう

 さりげなく背は高い

といったことがあげられます。しかもイケメン過ぎないということで、相手役の女優さんがひきたつという良さもあります。(女優が皆美人とは限らない)

(追記)そして3人のうち2人(オダギリジョー綾野剛)は特撮出身です。人間じゃない役がルーツ(かどうかは知らないけれど)なのが面白いなと。ちなみに浅野忠信は確か4分の1だったか、ネイティブアメリカンの血が入っていたはず。「アカルイミライ」という黒沢清監督の全く明るくない映画で浅野忠信オダギリジョーが共演していましたが、2人して映画の中で、何とも言えない奇妙な雰囲気を醸し出していました。

 

アカルイミライ 通常版 [DVD]

アカルイミライ 通常版 [DVD]

 

 

綾野剛も最初見た時は、結構なロン毛の怪しさ満点な若者の役でしたが、ある日こざっぱりとしたショートになって再登場したと思ったら、あっという間に人気者になってしまい驚きました。彼はインディペンデントの映画とかに出る俳優なのだと思い込んでいたのですが、まさかのメジャー志向だったとは!

綾野剛は意外に汎用性のある俳優みたいですね。

 

まあそれはそれとして、宣伝の画像も原作の設定どおりに、くっつきそうでくっつかないという2人の関係をビジュアル的に、いい感じに表現したかったのではないかなぁと。

TVは視聴率が命ですし、「すべてはFになる」というタイトルそのものは大変魅力的なのですが、タイトルほど中身はめくるめいているわけではなく非常にしっかりとしたミステリーなので、へたに内容を推していくよりミスターフォトジェニック(勝手に呼んでいるだけです)の力を発揮させた方がベターであるという製作側の賢明な判断だったのではないか?と推測してみました。

ところで2人の関係は3冊目と4冊目をへて

笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)

詩的私的ジャック (講談社文庫)

やっと上の画像に近い雰囲気が出てくるのですが、TVドラマではそこまで淡々としているわけにはいかないのでしょう。仕方ないです。

 

色々書いてはみましたが、実は私は、別に綾野剛のファンというわけではないのです。俳優としては山田孝之の方が好きですね。何といっても闇金ウシジマくんと勇者ヨシヒコを一体どうやったら演じわけられることができるのかが謎すぎる。(まぁどちらかと言えば、山田孝之の卓越した演技力は悪役などで発揮されやすいです)

それから本にもドラマにも全く関係ありませんが、ファンの人には失礼と思いつつ、綾野剛とも山田孝之とも仲の良い小栗旬は、俳優ではなくプロデューサーとか経営者としての才能の方が絶対高いと思われるので、早くそっちに専念すればいいのにと思っているのですが、世間ではどうなんでしょうか?(別に演技がヘタというわけではなく、単に人を動かす方が向いていそうです。子役あがりで俳優の組合とか作ろうとしているそうです。今の事務所の取締役でもあり、社会人としてのバランス感覚がありそう。事務所と様々な交渉もする人らしいです)