血の味がするポエムー「照準を持たない暴力性の発動」
はてなのブロガーの「はしごたん」さんが出版した電子書籍です。
まずは出版おめでとうございます。流通する本の形まとめたことに敬意を表します。
ブログタイトルのポエムという表現に関してですが、彼女自身が自分をポエマーだと捉えているふしがあるようなので、私が彼女の自伝を読んだ印象を「血の味がするポエム」と書いてみました。
内容については、正直「感動する」というたぐいの話ではないです。底の見えない真っ黒な沼の中を覗き込んでしまったとでも言えばよいのでしょうか。
本の中で彼女は、自分を心身ともに切り刻むようなことをしてしまうのですが、私には彼女の心がいうことをきかない体に無理やりいうことをきかせようとしているように思われました。そうして体が心のいうことを聞けば、まるで何もなかったかのように(少なくとも見えるところだけは)取り繕うことができる。でも体はどうしても心の言うことをきかないのです。彼女の体は心に対して「時を止める」という形で抗議をする。そして心と体はばらばらになってしまい、どうしようもなくなる。
彼女が自分の尊厳をかけて死に物狂いで書いたメモ。でもそれを震えながら読む姿は、他人にはただの茶番にしか見えない。その場ではできるかぎり大きい声で叫んだ方が正義になってしまうという悲しい場面がありました。
唐突に思ったこと。数学ではマイナスとマイナスをかけるとプラスになるけれど、人生ではどうなのかな?多分マイナスとマイナスはかけることができずに足し算になってしまい、もっと大きなマイナスになってしまうだけなのかもしれません。
私もrikorikoさんのように絵がかけたなら、と思いました。文章で何かを伝えることは、とても難しいですね。
カンドーさんは私より大分共感したようです。強いな。