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花が降ってくるー『ラ・カンパネラ』フジコ・ヘミング

魅力とは何か?

私自身が特にクラシックに詳しくないので書けるのかもしれませんが、私は『ラ・カンパネラ』*1だけは、フジコ・ヘミング*2の弾く演奏が、とても好きです。クラシックファンの中には彼女を嫌う人もいるらしく、実際決して演奏が上手いとは言いがたい面もあるので、何とも言えないところではありますね。

 


ラ・カンパネラ (フジ子・ヘミング の ピアノ演奏)

(何故か関係のない松下奈緒の写真がやたらに多く出てくる)

しかもフジコの演奏には同じ曲でも、「何か違う」ということもあります。だから彼女の演奏した音源を選ぶ時には、慎重を期さなくてはいけません。

私はこの演奏が一番好きかな。

初めてこれを聴いた時「あ、花が降ってくる」と感じました。この感覚をどう書いたら伝わるのか分からないのだけれど....。

最初、彼女のピアノは蝶々がひらひらと戯れているような音を奏でます。それがしばらく続き、そして次第にクライマックスに近づいていくにつれて音は柔らかく膨らんで空に昇っていくのです。その後音は空いっぱいに広がって、あたりを一面に覆いつくし、花になる。そしてその花がフワリフワリとたくさん降ってくるのが分かるのです。(自分のブログですが、完全に頭がいっちゃってる人の文章ですねー)

他の方の演奏も聴いてみました。確かに上手いです、正確で美しくて。それらの演奏はそれぞれに素晴らしい、だけれども花は降ってきてはくれない。(いや、そもそもピアノの演奏では花とか降らないし)好みや相性の問題もあるのでしょうが、フジコの演奏が一番私にはしっくりくるような。

彼女の弾き方というか演奏スタイルはクラシックにおいては決して“正解”でも“正確”でもないようです。にもかかわらず私を惹きつけて止まない。これが魅力があるということなのでしょうね

でもその魅力と呼ばれる何かは、それ自体がひどくあいまいな存在でなおかつ移ろいやすく、“次”があるのかすらも分からない。全ての人を魅了できるどころか、時には人々に激しく憎まれることすらある。でも仕方ないのかもしれません。愛されることの反対は憎まれることではなく、何の関心も持たれないということなのですから。

 

フジコ・ヘミングはその何かをかきたてる力を持っているのではないかと私は勝手に思っています。

 

 

 

 

*1:フランツ・リストピアノ曲。永遠にレのシャープが続くかのようなこの曲名のCampanellaとはイタリア語で「鐘」を意味している

*2:本名イングリッド・フジコ・フォン・ゲオルギー=ヘミング(Ingrid Fuzjko Von Georgii-Hemming[2])は、日本とヨーロッパで活躍するピアニストである