ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

現実主義な私が日々心に浮かぶことを、ゆるゆると書いていく

彼女がたどりつくのは一体どこなのか?

タイトルの通り

大奥 12 (ジェッツコミックス)

大奥 12 (ジェッツコミックス)

よしながふみの、『大奥』について、今現在の時点て私が心配していることである。

現在12巻まで刊行されており、将軍としては11代の家斉まで描かれている。(12代の影は薄い)内容の感想は私が書かなくても、他にいくらでも素晴らしい文章を書いている方かいると思うので、あえて省略。

それよりしばらく前から『大奥』に関して、気になっていることがある。

よしながふみは、おそらく最後の将軍である慶喜までの時代を描くだろう。で、話の終わりというか、この壮大な物語の最後の始末をどうつけるのだろうか?

男女逆転を、細部に至るまでひとつのパラレルワールドを創りあげた(と私は理解している)ことに対する決着のつけ方を、超個人的に勝手に心配しているだけなのである。

 私の心配はこんな感じなのかも。

なんのことはない。最後にがっかりしたくないだけだ。

10巻くらいから、物語のあまりの完成度の高さに、どうやって終わらせるのかが想像できず、悶々としている私は、単なる取り越し苦労のアホの人だと思う。

彼女の

の終り方は、本をパタンと閉じたなら、急に現実に引き戻されるような気にさせられる切ない終り方だった。

それが嫌というわけではないが、それまでがあまりに夢のように楽しく読んでいたので、自分勝手に寂しくなってしまい、よしながさんの作品を読む時は、冒頭のタイトルのようなことを考えてしまう。


これはオムニパスの短編ながら、どの話も良い終わり方だった。特に第3話のマルクス主義の娘の話の終わり方が、本当に美しいと思う。



昔から私は、なんにおいても最後をどうするのか気になって仕方ない。全く興味のないテレビの番組でも、最終回と知るとその回だけ見るくらいだ。物語の終わらせ方には作り手の人生観のようなものが、色濃く反映されている気がする。


ところで、つじつま合わせの終わりなのか納得のいく終わりなのか正直どちらでもかまわないが、私が受け容れられないのが未完というヤツだ。どんなにそれまでが素晴らしくても、ぶつ切りになったものに遭遇すると一気に興味が失せてしまう。


『大奥』はよしながふみにとっての代表作だ。正史とは違うもう一つの長い長い徳川の世を描いた物語に、果たして彼女はどういう結末をつけるつもりなのか、今私はひたすらそのことが知りたい。