ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

現実主義な私が日々心に浮かぶことを、ゆるゆると書いていく

恋を握りしめようとする者は、何ひとつ手にいれられないーお題にのってみた

剣呑なタイトルである。

私の人生に影響を与えまくった一冊について、書いてみようとして悩みつつの

恋愛論 (講談社文庫)

恋愛論 (講談社文庫)

ジャーン、橋本治だったりする。

むかしむかし私は橋本さんの本をバイブルのごとく、読んでいる時期があり、この恋愛論に至っては、お風呂にまで持ち込んだ記憶がある。

なんかページがしわしわになっていた思い出すらあるよ。


実は細かいところも大まかなところも覚えていなかったりするのだが、(つまり全然覚えていないということなのさ!)なんかこの本を何度も何度も繰り返し、必死になって読んでいたことだけを覚えている。

しばらく前に読み返して内容にはしっかり納得したものの、当時の必死な気持ちはよみがえったりしなかった。残念。

おそらく当時の私は、一生懸命な恋をしていたんだろう。

橋本さんの読者なら、彼の本に答えを求めるのは、よく考えなくてもイバラの道に飛び込むも同然なのだ。

若い私は、恋愛とはなんぞやと真剣過ぎるくらいに考えて、橋本さんの恋愛というものの捉え方「絶海の孤島である自分が、相手(世の中)という陸地とつながるために、妄想をどんどん海に捨てながら現実で埋めたてていくことを恋愛という」これに、ひどいショックを受けた。

恋は素敵、なんて甘えてる場合じゃないと深く深く納得したのである。

橋本さんは異脳の人なので、受け付けない人はまるでダメだと思う。だが!はまる人は、ドハマリとしかいいようのないくらいに嵌ってしまう。


橋本さんの「恋愛論」を実家の風呂で読み込んで血肉にしてしまったあの時に、恋愛は人間関係のひとつの形であり、素敵でも何でもないし、握りしめたりしたなら木っ端みじんに壊れるものなんだな、という厳しい真実を理解した気がする。

リカちゃん お姫さまのお城

リカちゃん お姫さまのお城

これは妄想