ところでロマンチックを知らせる回覧板は、いつごろ回って来るのか

放送大学に関すること、及び読書その他についてをゆるゆると語る

読書

できないことはできないという話ー「ダメをみがくー女子の“呪い”を解く方法

久々に本の感想を書いてみる。 女オンチ。 女なのに女の掟がわからない (祥伝社黄金文庫) 作者: 深澤真紀,とんぼせんせい,(対談)古市憲寿 出版社/メーカー: 祥伝社 発売日: 2016/02/12 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 深澤真紀さんという…

明るくないけれど暗いわけでもない話ー『いつまでも若いと思うなよ』橋本治

魂心Tシャツ いや、人生は気合だね。(LサイズTシャツ黒x文字白) メディア: ウェア&シューズ この商品を含むブログを見る 先週から今週にかけて、公私ともどもとにかく慌しく過ごしており、ブログを更新するところまでなかなかたどり着きませんでした。よく…

気持ちは分からないでもないが、違うだろうと思った話ー『すべてはFになる』森博嗣 ※追記あり

最近になってミステリーに少々興味が出てきたので、遅まきながら(というか大変に遅いのですが)TVドラマ化もされたこのシリーズを読んでみました。 実は2冊目までの感想としては本格的なミステリーというものはこういうものなのか、といったところです。…

血の味がするポエムー「照準を持たない暴力性の発動」

はてなのブロガーの「はしごたん」さんが出版した電子書籍です。 kuroihikari.hatenablog.com まずは出版おめでとうございます。流通する本の形まとめたことに敬意を表します。 ブログタイトルのポエムという表現に関してですが、彼女自身が自分をポエマーだ…

あっちとこっちの話ー『眩談』京極夏彦

久しぶりの京極夏彦の本。8編からなる怪談(?)というのかな...。 眩談 (角川文庫) 作者: 京極夏彦 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店 発売日: 2015/11/25 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る これはまぁ何というのか、“面白くて、おススメ!”と…

世界が変わった日ー「宰相のインテリジェンス」手嶋龍一

ジャーナリストで作家の手嶋龍一氏の本で、『ブラックスワン降臨』からの改題だそうだ。“ブラックスワン”というのは1697年にオーストラリア大陸でブラックスワンー漆黒の白鳥が発見されて以来、ありえないことが現実になることの隠喩(メタファー)なのだそ…

白い世界地図についての話

ここのところ色々忙しくてブログの更新をさぼり気味だったので、ちょっと気合いれなくては...。 私の趣味としては読書という大きい柱があるのだけれど、ここ1,2年その読書に妙な傾向が出てきている。その傾向というのは、特に楽しくもないのだけれどこの…

人は何のために嘘をつくのか?ー『嘘つきアーニャの真っ赤な真実』米原万理

嘘つきアーニャの真っ赤な真実 (角川文庫) 作者: 米原万里 出版社/メーカー: 角川学芸出版 発売日: 2004/06/25 メディア: 文庫 購入: 27人 クリック: 141回 この商品を含むブログ (186件) を見る 2006年に惜しくも病気でお亡くなりになってしまったので…

あなたの常識は私の非常識ー『トネイロ会の非殺人事件』小川一水

のっけからはっきりと書いてしまうのだけれども、世の中の人をセンスがある人とない人の2つに分けたのならば、私は間違いなくセンスがない人の国に住んでいる。しかもわりと古い国民だね。 まだ若かりし日にそれなりに頑張ってはみたものの、「アレ、もしか…

万華鏡はいくら回しても壊れたりしないー『人魚は空に還る』三木笙子 ※追記あり

前回とは全く趣向を変えた本を 人魚は空に還る (創元推理文庫) 作者: 三木笙子 出版社/メーカー: 東京創元社 発売日: 2011/10/28 メディア: 文庫 クリック: 3回 この商品を含むブログ (9件) を見る この本は、著者である三木笙子さんという人にとってのデビ…

2016年は○○の年ー『格差固定』三浦展

楽しくない読書体験 まだ1月の半ばだというのに、2016年は落ち着かない年になりそうな雰囲気である。(おもに芸能ニュース関係だけれども) 早々に予想してしまうが、今年はきっと後から思い返すとあそこが変わり目だったな、という年になるような気が…

可愛いは正義&ケモノ道ー『パリ行ったことないの』山内マリコ

人生の耐えられない軽さと重さ 娘がトレース台*1を自作していた。(この人はとにかく絵描いているか動画を作っているかニコニコ動画を見ていることがほとんど)材料はALL100均ショップで購入し、手先が器用なので、あっという間に完成させていました。娘曰く…

楽園はどこにあるのか?ー「賢者の戦略」佐藤優、手嶋龍一

複雑な世界を生きるということ news.livedoor.com 大晦日の夜、ドイツで4番目の大都市であるケルンで1000人以上の若い男性が暴行事件を起こした。しかしマスコミによる報道は4日になるまでされなかったということが判明した。 ドイツに入った難民は10…

○○じゃないほうについての話ー又吉直樹の『東京百景』

でもこのエッセイを読んでいるとこの又吉と言う人は、相方の綾部よりもずっと我が強い人なのではないかな?と感じた。かなりゆるぎなく自分があるタイプなので他人に流されないというか、他人と交わる気がないというか。それは作家として悪いことではないし…

現実逃避をする話ー百鬼夜行シリーズ「絡新婦の理」

仕事に関して決めなくてはいけないことがあり、プレッシャーに耐えかねているために読書に逃避。そしてそんな私にぴったりな本というと京極夏彦氏のこれです。 文庫版 絡新婦の理 (講談社文庫) 作者: 京極夏彦 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2002/09/05 …

私達は自由よー岡上淑子作品集

金井美恵子さんの本の表紙にも使われていました。(本は読んでないけれど) 「私達は自由よ」という言葉は、当時彼女は書いた言葉であることが作品集の中で彼女自身によって述べられています。 あぁ、そうか!この作品はとても自由な気持ちで創ったのだろう…

知れば何かが変わるのか?-「殺しあう」世界の読み方

yuriyuri.hatenadiary.com 私がほそぼそと書いているこのブログにおいては、この記事の反響がかなりあったことにビックリしている。どちらかと言えばどころか、けっこうに暗い話なのだが、これより前に書いた記事で yuriyuri.hatenadiary.com この父親の葬…

黒い迷宮ー異邦人から見たトウキョウ

「不思議の国のアリス」を生み出した国から来た21歳の背の高いブロンドの女性が、アリスが迷い込んだ不思議の国よりももっと見通しのきかない、著者が「黒い迷宮」と名前をつけたトウキョウに吸い込まれるように消えてしまった現実に起こった事件。 ルーシ…

たいていのことは20時間で習得できる、らしい

でも彼は、そんなこと言ってしまうと実際何かをはじめようとする気持ちそのものに強いブレーキをかけてしまうのではないか!と考えたわけです。そして「自分の目標に合ったそこそこのレベル」でも色々なことは楽しめるんじゃないかと思ったわけですね。これ…

知らない国の知らない話

2人ともチェコスロバキアに対して特別な思いがあり(特に佐藤さんはチェコ神学者のフロマートカの研究を生涯のテーマと掲げているくらいだ)五木さんが「プラハの春」の現場の遭遇していたりと思っていた以上に二人には共通部分があるらしい。 いつも対談本…

ぶよっとした感触の持つ可能性ーボラード病

これは311以降の世界というのは少々違うような。佐藤さんは「この本を読んでファシズムについて書く」ということを課題にしていました。この本は確かに特定の出来事に対する比喩ではなくて、作者はもっと漠然とした得体の知れないモノについて書こうとし…

桜色の嘘

後鳥羽上皇の 桜さく 遠山鳥の しだり尾の ながながし日も あかぬ色かな <桜が咲いている ずーと見ていても飽きないな> という歌の方が好きなんですよ。

男のモノローグと女のダイアローグー誰と会話してるの?

モノローグとは演劇において一人の俳優が演じる芝居で、ダイアローグは対話、対談ということなのだが、男性の本の印象はモノローグを強く感じる。台の上から大勢の人々に語りかけるイメージ。女性の本はもっと少人数の人々本によってはかなり限定した個人を…

読書三昧な日々

佐藤優さんの本。これはフランスの経済学者トマ・ピケティの書いた「21世紀の資本」に対する反論というかたちで書かれた本で、佐藤さんといえばマルクスなのですが、そのマルクスの書いた資本論を読み解くためにどんな本を読んだらいいのかなどが書かれて…

Q 子どもをご褒美で釣ってはいけないのか?ー「学力」の経済学

学力を統計学のデータの観点から読む本です。 「学力」の経済学 作者: 中室牧子 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン 発売日: 2015/06/18 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログ (20件) を見る Q 子どもをご褒美で釣っては…

わりとどうでもいい発見について

オシャレ感とは何か? 私は基本、スターバックス派ではなくドトール派である。(まぁ貧乏なせいもあるけれど)コーヒーの味がそんなに変わるとも思えないのに、わざわざS,M,Lではなくて、ショートとかラージとかもしくはマグカップかどうかをレジで聞かれて…

イギリスの持つ排他性とそれに伴う寛容についてープラハの憂鬱

、「イギリスは人種問題に関して寛容なというか、無関心な面を持ち合わせていて住み分けがなされている」のだそうです。だからこその出会いなのですが、佐藤さんとマストーニ氏の間では、非常に知的で奥深い対話がなされます。 異邦人として生涯を終えること…

続・梅と私と和歌

「新古今和歌集」のスターな藤原定家 また、梅です。しつこいですね、すいません。 yuriyuri.hatenadiary.com ということで、今週のお題である「行ってみたい時代」は、鎌倉時代です。そして橋本治曰く、文学青年であり、おたくでもあったという源実朝と会い…

梅と私と和歌ー橋本治による古典解説

ところでこの実朝の詠んだ和歌で、 わが宿の梅の初花咲きにけり 待つ鶯はなどか来鳴きぬ *私の家では最初の梅の花が咲いた。鶯を待っているんだけれど、どうしてだろう、来て鳴かないんだ という歌があります。印象としては「寂しい歌」で梅は咲いたけれど…

リアリティは人を救わない-魍魎の匣(はこ)*追記あり

鉄のハコに入った、手も足もない美しい少女とそのハコを抱いて旅する男。 そんなことありえないのに、私は本に書かれた二人(?)の儚い姿を、鮮やかに思い浮かべることができる。何一つ羨ましくはないはずなのに、自分のまぶたの裏に見えるその光景に、胸を…