続・鶴の恩返しの恩返し部分がないという話
この記事の最後にあるように、子供とスイーツを食べてきました。春を意識したというピンク色のパンケーキです。でも行くまでにひとバトル、というか2日にわたってケンカをしました。最近戦ってなかったので、「すっかりお互い落ち着いて」なんて思っていたらとんでもない!ひさびさの手も足も出る本格的なバトル(向こうが手を出すのに5回に1,2回応戦する)で、いったん終わったかと思いきや、次の日も結局ケンカになりました。まぁひどいもんですね。原因は説明するとおっそろしく長くなるので省略します。
思春期の子育ては戦いみたいなものです。あちらは“これからの人”だから勢いもあるけれど、こちらはそうはいかない。中学生は中途半端な大人というか、テクニックも忍耐力もないので気に入らないと、とにかく叫びます。そういうものなんでしょうね。
子供が思春期に迎えて分かったことは、人間同士はもめるものだということです。とにかくもめるのが基本で当たり前だということ。私はこれまでの人生で極力人とぶつかりたくなくて、ついつい譲ってしまうことがほとんどだったのですが、そんなことでは子供の理不尽な欲求に押しつぶされてしまうということが身にしみて理解できましたね。人間は他人を従わせたい、自分を通したいという欲望が大なり少なりあるということです。私は比較的少ないタイプなのですが、子供はたまたま多いタイプのようです。とにかく私に勝ちたいらしい。まぁ家の中で新旧の動物の縄張り争いみたいなことをしているわけですね。
なのでお互いに相手がイヤで仕方がないときがあり、そんな時には私が外にフラっと出かけています。こっちは大人なんでしょうがない。関係を微調整するわけです。
今日はちょっと仲良しな日だったので、「ママは年なんで、もう少し優しくしてね♪」と言ってみました。次から年寄りモード戦略でいこうと思います。ちょこっと反省していたみたいなので、まだしばらくは上手いこと丸め込めそうですね。
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それから急に留学に興味が出てきたらしく、英語の勉強を頑張る宣言をしていました。なぜだ?あんなに英語を嫌がっていたのに!気まぐれすぎだよ。
妹が夏にイギリスへひと月くらい滞在する予定らしいので、夏休みを利用して、10日くらいまぜて貰おうと思っています。(妹はフリーランスをしているので仕事に融通がきくのです。しばらく前にもロシアに行っていた。私は絶対ロシアとか行きたくないけれどね)
明るくないけれど暗いわけでもない話ー『いつまでも若いと思うなよ』橋本治
先週から今週にかけて、公私ともどもとにかく慌しく過ごしており、ブログを更新するところまでなかなかたどり着きませんでした。よく見る星占いのサイトに「今週はしっちゃかめっちゃか」と書かれており、???と思っていたらあっという間に本当にそうなってしまい、もう今週は占いに当たっておこう!ということにしましたね。占いを信じるか信じないかということよりあんまりいろいろと考える余裕がなかったので、積極的に占いが当たったということにしておこうというわけです。気持ちの処世術とでも言えばいいのか...。
このことに関係がないといえばないのですが、どこかでこの本に書いてあることが頭の片隅にありました。
なんというか、耳に痛いタイトルの本です。しかも内容はもっとグリグリと40代のわが身を突き刺してきます。
この本は橋本治闘病記です。橋本さんは62歳で顕微鏡的多発血管炎という何万人に一人という難病を発症してしまい、その後も心臓に血液を送る冠動脈の3本のうち2本が詰まっているということでカテーテル手術を受けるなどとにかく明るい話題が全くないという本です。しかも3.11の前後という最悪の時期の闘病生活を書かれています。けれどもそんなことに負けずに頑張ろう!ではなく静かに日々を大切に生きよう!でもないのです。
ではこの本には一体何が書かれているのかというと、人は必ず老いて弱るものであり、それはごく当たり前なことである、ということが書かれています。
話が突然変わりますが、私が26歳くらいになったころから母親に時々「四捨五入したら30歳よね♪」と言われるようになりました。なんとなーくムカつきつつも嘘を言われているわけでもないので、まぁそうだよねと思うようになりました。(基本流されやすい)その後も順調に27、28と若い時間は過ぎ去っていき、勿論母親の四捨五入攻撃は止まず、続いていました。ついに30歳を迎えた私に母親は「30歳は20代の続きだけれども、31歳は30代なのよ」(何が言いたかったのか今だ真実は分からない)、と言うようになり、私はとりあえず四捨五入時代は終わったらしいが今度は切り下げとかじゃだめなのかな?と密かに思っていました。(ダメだったらしい)
若いころからこうした女性にありがちな謎の多い超理論を聞かされ続けたせいなのか、いいとかいやとかに関係なく、人間は次第に年をとっていくものだろうと考えるようになりました。別に年をとることで段々と成熟していくから、とかでもなくごくごく普通に人は老いていくんだろうなと。(母親が年齢と共に思慮深くなっているとは特に感じなかったのが大きい)
父親が死んだ後、母親が父親の知り合い一通りに彼の死を知らせたのですが、見事に誰からも返事が来ませんでした。(びっくりするほど人望がなかった)そのことを母親は何度も何度も繰り返し嘆いていましたが、子供の立場から言わせてもらうのなら、彼がしょぼい人間であり、親しい友達もほとんどおらず、家族の誰からも好かれていないことくらい全員知っていました。なんか今更なにを言っているのかな?というのが正直なところでしたね。(夫婦の情愛ということでしょうか?)
別に人生で何事を成さずとも、人の記憶に残らなくても、家族と上手くいっていなくても、人間はただ生きて死んでいくのだなぁと妙に感心したことを覚えています。
橋本さんの本を読んだ際に、ふと父親人気が全くないよエピソードを思い出し、やはり橋本さんは偉大だなと思いましたね。父親と違って橋本さんの知性は明晰ですし親しい知り合いもいますが、だからといって人が老いて弱っていくということに変わりはないのです。何を成そうが成さまいが人は老いるのです。老いることを受け入れていく難しさがきっちりと書かれている内容は読んで楽しいか?と問われると困るのですが、私の人生にこれから始まる長い長い下り坂をだらだらと下っていく際の心得のためには大層役に立つ本だな、と思いました。
そしてずっと橋本さんの本を読み続けている人にとっては、彼の近況を知ることができるのでおススメできるのですが、読書に何かしらの救いなり明るさを求める人にとっては、もしかしたら何の役にもたたない本になってしまうかもしれません。
まぁちょっと読む人を選ぶ本ですね、今回は。
鶴の恩返しの恩返し部分がないと言う話
なんのことかと問われたら、子供の話と答えます♪みたいな...
もう品物自体はアマゾンから届いているのですが、ニコニコ動画に投稿する動画を自作するために、子供に頼まれて
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自宅で録音(それなりに音にこだわる人用)の機材を買いました。勿論お年玉をとっておいたものの中から子供が自分お金を出したのですが。
説明およびプレゼンを受けて、一応は理解できているのですが、私個人としては「そこまで音にこだわるか!」という気持ちが大きいです。(ヲタクへの道を順調に駆け上がっている)
だってオーディオインターフェースなんて、1万円以上するんですよ(驚)。キミ中学生じゃん!みたいな(音がクリアに録音できるとのこと)。でも何ヶ月も悩んでいろいろサイトをめぐって調べたらしいので、もう親としては「分かりました」としか言いようがない。でもオーディオインターフェイスについて、私はあんまりわかってないと思う。
今回は作画から音から全部オリジナリティにこだわるそうです。言い忘れましたが、子供がはまっているのは今をときめく「おそ松さん」です。(知らない間にライトな腐女子と化していた)現在パソコンで音源の切り貼りをして、動画製作の下準備をしているらしい。でも本当のところはやっていること全部をきちんと理解できているのかに自信がありません。(物凄ーく手間がかかるって言われたけど知らんがな \(・〇・)/)
彼女は声の音源を録音する時に、余分な音が入らないように私がいない時をねらって一人録音にはげむらしい。押入れにこもる姿をチラリと見ましたが、私は基本見てはいけないらしく、まるで「鶴の恩返し」のようにこっそりと素敵な反物ではなく素敵な動画を作っているようです。
それをニコニコ動画に投稿するのですが、私は絵心がないせいか、完成品を見せてくれないのです。(途中ちょっとだけなら見たことがある)つまり私の知らない間に作品を作り、私の知らない間に世に知られる(ニコニコ動画内ですが)という流れとなっています。
冷静に考えてみると、アマゾンに機材を注文したり製作途中のグチとかも聞いたり、おやつをさし入れしているにもかかわらず肝心の完成品は見せてもらえないということは、「鶴の恩返し」におけるところの恩返しがないということと同じではないのでしょうか?
実に納得がいかないのですが、製作者本人(子供のことです)にことわられる以上無理強いもできず、仕方なく言うことを聞いています。でも多分これが子供が成長するということなんでしょうね。親の理解できない世界に一人でのり出していく!何かそれだけ聞くといい感じに思えますが、実態というか私にとっては「鶴の恩返し」の恩返しがないバージョンでしかないです。
時々はてなのエントリーなどで子供はコスパ、つまりコストパフォーマンスが悪いのでは、いやそういうことを言うのはどうなのか?みたいな話題が出ることがありますが、個人的な考えとしては、子供に関わることは基本コスパは悪いと思います。だから子供持たないと考えるのをおかしいとも思っていません。
子供を育てていくことは、損することを受け入れることだと思っています。損得で判断するならそう認めざるを得ない。でも私にとって大人として責任をとるということは、いろんな形で損することを受け入れていくということなのだと考えています。もう子供を産んでしまったわけだし。そして子育てにおいては相手(子供)が大人になるには、まだまだ時間が必要なのですから、基本ずーっと損をし続ける時間が積み重なっていくことになります。その先は?まだ見ていないので分からないです。いいことがあるといいなとは願っていますけれど、どうなんでしようね。
でも告白すると、子供はたまーにびっくりするくらい面白かったり、優しかったりしますね。でもホントにたまにです。コスパとして考えると、ほぼ最悪かもしれない。うーん、困った。
この機材購入OKにはウラがありまして、ほんの少しですが子供の学年末のテストの点数があがったのです。(嬉)それで機材購入を認めたということですね。そして今度「試験を頑張って偉かったねミニミニパーティ」を開く予定となっています。そこで私は子供の好きなスイーツを何でも食べさせてあげる予定。な~んかやっぱり納得がいくようないかないような.......。まぁ、しょうがないか。
気持ちは分からないでもないが、違うだろうと思った話ー『すべてはFになる』森博嗣 ※追記あり
最近になってミステリーに少々興味が出てきたので、遅まきながら(というか大変に遅いのですが)TVドラマ化もされたこのシリーズを読んでみました。
実は2冊目までの感想としては本格的なミステリーというものはこういうものなのか、といったところです。これまでミステリーを読む時は、犯人と動機と結末が分かればいいので、最初と謎解き部分を読んで、後補足で状況説明の所を読むという邪道な読み方をしていました。自分流の速読というわけですね。私から見ると、ミステリー好きの人は気が長いんじゃないかと思う。
とにかくシリーズを全部読んでみようと考えて、図書館で借りました。3冊目からは結構面白くなってきて、それはそれでほっとしました。まぁそこはおいておいて、気になったこととしては
これですね。つまり「すべてはfになる」のドラマの方の配役です。武井咲は比較的あっていると思いますが(金持ちのお嬢様、特に武井咲の声というか話し方はピッタリ)、問題は綾野剛です。原作を読んだ人はたいていちょっと違うのでは?と思ったでしょう。(理系の准教授!)でも私はここに綾野剛をもってきた理由が分かる気がする。
というのは、原作はしっかりとしたミステリーであり、主役の2人には特にロマンス的に光るところも皆無ではありませんがかなり少なく、不特定多数の視聴者を惹きつけることは難しい。そこで工夫を凝らしたという意味での飛び道具としての綾野剛ですよ。
実は私の中で、綾野剛は「ミスターフォトジェニック」として名高い俳優でもあります。彼はイケメンなのかという面においては微妙ではありますが、とにかくなんともいえない色気のある雰囲気を身にまとっているという点においては、最近の俳優さんの中ではダントツです。ちなみに先代のミスターフォトジェニックは、オダギリジョーでした。ついでに先々代は浅野忠信です。(これはあくまで個人的な意見)3人の共通点として
決して分かりやすくイケメンではない
声が低くてボソボソしゃべる(もしくは大きい声ではっきりとはしゃべらない)
カラーより白黒やセピアの写真が似合いそう
さりげなく背は高い
といったことがあげられます。しかもイケメン過ぎないということで、相手役の女優さんがひきたつという良さもあります。(女優が皆美人とは限らない)
(追記)そして3人のうち2人(オダギリジョーと綾野剛)は特撮出身です。人間じゃない役がルーツ(かどうかは知らないけれど)なのが面白いなと。ちなみに浅野忠信は確か4分の1だったか、ネイティブアメリカンの血が入っていたはず。「アカルイミライ」という黒沢清監督の全く明るくない映画で浅野忠信とオダギリジョーが共演していましたが、2人して映画の中で、何とも言えない奇妙な雰囲気を醸し出していました。
綾野剛も最初見た時は、結構なロン毛の怪しさ満点な若者の役でしたが、ある日こざっぱりとしたショートになって再登場したと思ったら、あっという間に人気者になってしまい驚きました。彼はインディペンデントの映画とかに出る俳優なのだと思い込んでいたのですが、まさかのメジャー志向だったとは!
綾野剛は意外に汎用性のある俳優みたいですね。
まあそれはそれとして、宣伝の画像も原作の設定どおりに、くっつきそうでくっつかないという2人の関係をビジュアル的に、いい感じに表現したかったのではないかなぁと。
TVは視聴率が命ですし、「すべてはFになる」というタイトルそのものは大変魅力的なのですが、タイトルほど中身はめくるめいているわけではなく非常にしっかりとしたミステリーなので、へたに内容を推していくよりミスターフォトジェニック(勝手に呼んでいるだけです)の力を発揮させた方がベターであるという製作側の賢明な判断だったのではないか?と推測してみました。
ところで2人の関係は3冊目と4冊目をへて
笑わない数学者 MATHEMATICAL GOODBYE (講談社文庫)
やっと上の画像に近い雰囲気が出てくるのですが、TVドラマではそこまで淡々としているわけにはいかないのでしょう。仕方ないです。
色々書いてはみましたが、実は私は、別に綾野剛のファンというわけではないのです。俳優としては山田孝之の方が好きですね。何といっても闇金ウシジマくんと勇者ヨシヒコを一体どうやったら演じわけられることができるのかが謎すぎる。(まぁどちらかと言えば、山田孝之の卓越した演技力は悪役などで発揮されやすいです)
それから本にもドラマにも全く関係ありませんが、ファンの人には失礼と思いつつ、綾野剛とも山田孝之とも仲の良い小栗旬は、俳優ではなくプロデューサーとか経営者としての才能の方が絶対高いと思われるので、早くそっちに専念すればいいのにと思っているのですが、世間ではどうなんでしょうか?(別に演技がヘタというわけではなく、単に人を動かす方が向いていそうです。子役あがりで俳優の組合とか作ろうとしているそうです。今の事務所の取締役でもあり、社会人としてのバランス感覚がありそう。事務所と様々な交渉もする人らしいです)
独断と偏見に満ちた話
少々思うところがあったので...。
ずっと引っかかっていたことがあるけれど確信は持てない件として、この写真が中身に直結しているということ。
この表紙の写真は著者のはしごたんさんが自ら撮って色を加工したものだそうで、この影は彼女自身なのだそうです。つまり何が言いたいかというと、この本に書かれていることは、彼女の影の部分であるということです。「この本の中身は私の影の部分についての話ですよ」ということを表紙であらかじめ予告している。色を加工したということは、「私の目を通した事実が書いてありますよ」ということだと思います。(ただ本人に自覚があるかどうかは定かではない)猫は、うーん分かりません。
えーとですね。ブログを引用することについて寛容ではないとか、法律でひっかからない範囲なら良いだろうとか言われていましたが、おそらくそういうことではなくてこの書籍が彼女にとっては非常に特別なものであるということです。
勿論誰にとっても自分の本は特別なのでしょうけれども、書籍は彼女にとって自分自身の延長でもあり、他人、つまり共同作業で書籍を作り上げたid:potexさんという他者との接点というか交渉の成果でもあるということです。だから厳密に言うならば、過去と現在と他者を上手く繋いでくれたという意味で“それ”を勝手に切り取って別の意味を与えないでくれということだと思います。あくまでこれは私のただの推測でしかないので、本人が違うと言えばそれまでなんですけれど。
それからはしごたん著「照準を持たない暴力性の発動」を読みました - あけすけビッチ! かんどーのあばずれ日記に関しても思うところがありまして(カンドーさん何度も言及すいません)カンドーさんにははしごたんさんの言葉が通じるんだなぁということです。例えば「明日天気だといいですね(深い意味はないです)」と言っても皆が皆同じことを考えるわけではないということです。どうやらカンドーさんとはしごたんさんは、同じ国に住んでいるらしい。もしくは隣接する国か?)
私はぼんやりとしか“何”が書いてあるのか理解できないんですよ。カンドーさんほど近いところに住んではいないし、ハードな内容でもあるので。
なんかこんなことを書いても何が何だか分からないと言われればそれまでなので、そう言われたら黙るしかないですけれど。
言葉をつくして説明すれば理解できるのでは?という錯覚が世界に蔓延してるけれども、本当はあんまり言葉って通じないというか、常々私は、「人は自分の聞きたいことを聞きたいようにしか聞いてない」と思っています。それが悲しいとか寂しいとかではなく、それぞれに通じない言葉を胸に抱えながらなんとなく日常を送っているのではないか?だから芸能人を好きになったり、流行のスイーツを一緒に食べることで、わかり易く一体感を得たりするのかもしれないなーと思っていますし、それは全然ありだとも考えています。
そう、書籍の話でした。はしごたんさんは、また書籍を書けばいいんじゃないかと思いますね。あんなに自分自身のことじゃなくて、もっと嘘を書けばいいんじゃないかなと。彼女の嘘ならきっと綺麗ですよ。あの書籍の話をクルっと裏返しにすればいい。他者との“交渉のやり方”も分かったことだし、シェイクスピアの書いたマクベスの中に出てくる魔女の有名な台詞にも「きれいはきたない.きたないはきれい」って書いてあることですしね。
血の味がするポエムー「照準を持たない暴力性の発動」
はてなのブロガーの「はしごたん」さんが出版した電子書籍です。
まずは出版おめでとうございます。流通する本の形まとめたことに敬意を表します。
ブログタイトルのポエムという表現に関してですが、彼女自身が自分をポエマーだと捉えているふしがあるようなので、私が彼女の自伝を読んだ印象を「血の味がするポエム」と書いてみました。
内容については、正直「感動する」というたぐいの話ではないです。底の見えない真っ黒な沼の中を覗き込んでしまったとでも言えばよいのでしょうか。
本の中で彼女は、自分を心身ともに切り刻むようなことをしてしまうのですが、私には彼女の心がいうことをきかない体に無理やりいうことをきかせようとしているように思われました。そうして体が心のいうことを聞けば、まるで何もなかったかのように(少なくとも見えるところだけは)取り繕うことができる。でも体はどうしても心の言うことをきかないのです。彼女の体は心に対して「時を止める」という形で抗議をする。そして心と体はばらばらになってしまい、どうしようもなくなる。
彼女が自分の尊厳をかけて死に物狂いで書いたメモ。でもそれを震えながら読む姿は、他人にはただの茶番にしか見えない。その場ではできるかぎり大きい声で叫んだ方が正義になってしまうという悲しい場面がありました。
唐突に思ったこと。数学ではマイナスとマイナスをかけるとプラスになるけれど、人生ではどうなのかな?多分マイナスとマイナスはかけることができずに足し算になってしまい、もっと大きなマイナスになってしまうだけなのかもしれません。
私もrikorikoさんのように絵がかけたなら、と思いました。文章で何かを伝えることは、とても難しいですね。
カンドーさんは私より大分共感したようです。強いな。
梅と私ー湯島天神にて
休日のひとコマ
湯島天神に梅を見に行って来ました。2週間ほど前に六義園にも行ったのですが、悲しいほど梅が咲いていなかったので、(しかも梅の木自体が少なかったです。知識不足なり)リベンジのつもりで気合を入れてみました。
しだれ梅。花言葉は「柔らかさ」「華やかさ」。梅自体の花言葉が、「高潔」「忍耐」「忠実」「独立」「厳しい美しさ」などがあります。個人的には私は白い梅が特に好きなのですが、花言葉は「気品」なのだそうだ。う~ん、花言葉なのに、なんとも生真面目なものばかりです。確かに桜と比べると真面目感はあるかもしれない。
ちなみに桜の花言葉は、「純潔」「優美な女性」「精神美」「心の美しさ」などがあります。梅よりも凄いかもしれません。
入り口の階段はこんな感じ。なかなか雰囲気がありますね。
おみくじがあったので、今さらながらひいてみたらなんと大吉!実は1月の浅草でひいたおみくじが凶だったので、今回は単純に嬉しかった。湯島天神を好きになりそう。
菅原道真公の和歌つきです。まぁ天満大自在天神*1なので、当然といえば当然ですが。
東風(こち)吹かば にほひおこせよ 梅の花
主(あるじ)なしとて春な忘れそ
※春になって東風が吹いたなら、その風に託して配所の大宰府(だざいふ)へ香りを送ってくれ、梅の花よ。主人のこの私がいないからといって、咲く春を忘れるな
『拾遺和歌集』より
大好きな白い梅の花です。写真の腕がイマイチなのですが、やはりすっきりとした美しさがあると思います。